このたびは、大賞をいただき、大変光栄なことと感謝しております。毎年、受賞作品を拝見し、子供達の表現力の豊かさに圧倒されていました。今回の皆様の作品も素晴しく、その中での受賞には喜びと同時に責任も感じています。今後これを生かし、社会貢献につなげていこうと思っています。
作品のテーマであるESD(持続発展教育)とは「今後もずっと発展していける世界を作っていける人達を育てるための教育」のことです。今年は「国連ESDの10年」の中間点ですが、この言葉はほとんど広まっていません。たとえ知っていたとしても定義が複雑なので説明できる人は多くありません。これではESDの中心である子供達の中に浸透しません。子供でもわかるものが必要、それがこの作品を制作しようと思っ た始まりでした。
では、なぜ英語で書いたか、それは、世界中の国々が共通意識を持って取り組んでこそESDは生きてくるものだからです。昨年5月、サンフランシスコでのESD日米教員合同会議に参加しましたが、その概念は統一されていませんでした。7月に東京で2度目の会議が開かれるにあたり、会合を意義あるものにするために急遽作成したのが今回の作品です。マンガという表現形態が活き、米国の先生方と共通認識を持つことができました。
会議に間に合うように一気に書き上げたため(その勢いでコンクールにも応募)、絵も雑で、英語のミスも多々あるので、その後、改訂版を作成しました。これは幸運にもUNESCOのボコバ事務局に手渡しすることができました。また、日本語版も作成し、ESDの国内大会などで100校くらいの先生方にお渡しすることができました。
現在、さらにリニューアルしたものを作成しています。このマンガを使って、人類が明るい未来を築いて行く上での鍵となるESDを広めるお手伝いをしたいと思っています。
第10回自己表現力コンクール 大賞受賞 北原隆志さん
※表彰式で受賞者を代表してお話していただきました内容を本人の許可をいただき掲載しています。 |